「aiの活用事例で面白いものはどんなもの?」
「ビジネスにaiを活用するとどうなるの?」
「身近にaiの活用事例はある?」
ChatGPTをはじめとするAIの登場によって、ビジネスや私たちの生活にも浸透してきています。一般的に、AIはデータ分析や文書作成などが得意とされていますが、その活用方法は多岐にわたります。
この記事では、国内外の面白いAI活用事例を3つのジャンルに分けて紹介します。紹介する事例を参考にすれば、身近なAIの活用法や新しいビジネスアイデアが見つかるかもしれません。
面白いAI活用事例について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
ビジネス分野での面白いAI活用事例5つ
ビジネス分野での面白いAI活用事例を5つ紹介します。
- 松屋|店長昇格試験のためにAI面接サービスを導入
- LIFULL|不動産会社向けの住まい探しをサポート
- Entrupy|AIがブランド品を画像から真贋鑑定
- CardFree|飲食店のオンライン注文でAIがおすすめを提案
- 神奈川県|アイデア探しに生成AIを活用
それぞれ確認していきましょう。
1. 松屋|店長昇格試験のためにAI面接サービスを導入
牛丼チェーンの松屋は、店長昇格試験の面接にAI面接サービス「ShaiN」を導入しています。
このAI面接サービスにより、従来の面接で課題となっていた評価のばらつきや試験のための移動時間、面接官の拘束時間の問題が解決されます。
また、受験者はスマートフォンから24時間365日いつでも受験できるため、場所や時間の制約がなくなりました。
AI面接サービス「ShaiN」は松屋も含め470社以上の企業に導入済みであり、面接官による主観的な判断ではなく、AIによる客観的な評価ができます。ShaiNの登場により、多くの従業員に公平な昇進のチャンスが提供できるでしょう。
2. LIFULL|不動産会社向けの住まい探しをサポート
LIFULL社は、不動産会社向けに住まい探しに必要なノウハウを学べる「接客サポートAI(BETA)」を提供しています。このサービスは、AIを活用して経験の浅い社員に不動産の専門知識や、接客スキルを対話形式で提示するものです。
とくに、外国籍や高齢者など「住宅弱者」と呼ばれる層は、住まいを探すために他とは異なる専門的な知識が必要です。2024年現在は、外国籍や高齢者のお客様向けの接客に特化したBETA版を公開中です。
接客サポートAI(BETA)を活用すれば、幅広い顧客層に対して質の高いサービスを提供しつつ、社員の教育コストの削減が見込めます。
3. Entrupy|AIがブランド品を画像から真贋鑑定
Entrupy社はAIを用いたブランド品の真贋鑑定サービスを提供しており、中古ブランド品の取引をより安全で信頼できるものにしています。専用端末で撮影した写真をAIが分析し、99%という高い精度で本物かどうかを判定します。
対象となっているのはCHANELやBURBERRYなどの高級ブランドだけでなく、人気のスニーカーも鑑定が可能です。さらに、本物であれば証明書も発行できます。
買取業者だけでなく個人でも利用できるため、中古ブランド品の流通にも好影響を及ぼすでしょう。また、AIが学習を重ねるほど精度が向上するため、将来的にはさらに信頼性の高いサービスになることが期待されています。
4. CardFree|飲食店のオンライン注文でAIがおすすめを提案
アメリカのCardFree社が開発した「Smart AI Upsell」は、飲食店のオンライン注文でAIが顧客に満足しそうなセットメニューを提案するサービスです。
これにより、顧客は自分の好みに合った注文がしやすくなり、店舗側は客単価を上げることができます。提案される内容は、カートに入っている商品と過去の注文データをAIがリアルタイムに調べて、顧客のパターンや好みを特定します。
そのため、単に飲食店の売上を伸ばすだけでなく、顧客満足度も高めることができるでしょう。また、人手不足に悩む飲食業界では、効率的な運営を支援するツールとしても注目されています。
5. 神奈川県|アイデア探しに生成AIを活用
AI活用は民間企業のみならず、自治体でも活用されています。
神奈川県では職員の業務負担軽減の一環として、ChatGPTをアイデア探しのために活用しています。具体的な用途は企画書案や想定問答案の作成、質問への回答文案などです。
その結果、文書作成にかかる時間を大幅に削減でき、職員がより他の業務に注力できるようになりました。このようなAI活用ができれば行政サービスの向上や、新たな政策アイデアの創出にもつながるでしょう。
また、行政のデジタル化や効率化が進めば他の自治体にも広がっていき、多くの住民が恩恵を受けられることが期待されています。
実生活に関わる面白いAI活用事例5つ
実生活で活用されている面白いAI活用事例を紹介します。
- L’Oréal|肌を診断するAI美容アドバイザー
- EmbodyMe|AIが外見を変換するバーチャルカメラアプリ
- Posen|姿勢をAIがスコア化して診断
- フードテックマイスター|AIがバウムクーヘンで職人技を再現
- 香川県三豊市|生成AIを活用しゴミ出し案内サービス
もしかしたら、すでにAIにお世話になっていたということがあるかもしれません。ひとつずつ見ていきましょう。
1. L’Oréal|肌を診断するAI美容アドバイザー
フランスの化粧品大手L’Oréalが開発した「Beauty Genius」は、AIを活用した革新的な美容アドバイスアプリケーションです。
「Beauty Genius」はチャット形式で質問に答えて、自分の肌の画像をアップロードすると診断して、最適な美容ケアや商品を提案してくれます。L’Oréalは長年にわたる化粧品開発の知見があるため、AI技術を組み合わせることで効果的で安全性の高い美容アドバイスを提供可能です。
「Beauty Genius」を実装したことで、利用者は専門家のアドバイスを手軽に受けられるようになり、個人に合わせた専門的なスキンケアが受けられるでしょう。
2. EmbodyMe|AIが外見を変換するバーチャルカメラアプリ
EmbodyMe社が開発した「xpression camera」は、自分の外見をAIがリアルタイムに変換するバーチャルカメラアプリです。
読み込ませた服装の画像から外見を生成するため、オンラインミーティング用に着替える必要はありません。リモートワーカーにとって、ラフな服を着たままでもオンライン会議に出席、といったことが実現できます。
2023年にリリースされた「xpression avatar」では、声だけで自分のアバター画像に表情や動きを反映させられます。そのため、自分のアバターをスーツ姿にしておけば、私服で料理を作りながら顔出しZoom会議が可能です。
以上のようにAIによる映像編集技術の進化で、オンラインコミュニケーションの幅が広がります。
3. Posen|姿勢をAIがスコア化して診断
Posen社が開発した骨格分析「Posen」は、現代人が抱えやすい頭痛や肩こりなどの身体の悩みを姿勢の観点からアプローチするサービスです。わずか15秒で骨格を診断し、姿勢をスコア化するAIを搭載しています。
自分では客観的に捉えることが難しい姿勢の問題を数値化・可視化することで、体の問題解決につなげられます。「Posen」のようなサービスは、今後重要性が増すとされる予防医学の観点からも注目されるAI活用事例といえるでしょう。
4. フードテックマイスター|AIがバウムクーヘンで職人技を再現
フードテックマイスター社は、AI搭載のバウムクーヘン専用のオーブン「THEO」で伝統的な職人技を再現しました。画像センサーが生地の焼き具合を層ごとに解析し、AIが人間の職人と同じレベルでバウムクーヘンを焼き上げられます。
同社は2021年にクラウドファンディングで資金調達に成功し、2023年には神戸市から初のAI職人として特別住民票を交付されるなど、社会的にも注目を集めています。
AIに伝統的な料理技術を学ばせると、従来は人が習得しなければいけなかった職人技の保存や、産業の革新につながるという事例のひとつです。
5. 香川県三豊市|生成AIを活用しゴミ出し案内サービス
香川県三豊市は、2023年からChatGPTを活用したゴミ出しルール案内サービスの試験運用を開始しました。市民からのゴミ出しに関する問い合わせに24時間365日対応し、効率的な案内を提供します。
さらに、50カ国語以上に対応しているため、外国人居住者にも適切な情報の提供が可能です。実証実験は2回実施され、正答率99%を目標にしていました。しかし、1回目の実証実験では62.5%に、2回目でも94.1%に留まったため、2024年現在では本格導入は見送りとなっています。
本格導入は見送りとなったものの、2回の実証実験の中で正答率は62.5%から94.1%にまで上昇しています。このことから、今後精度が上がることが期待され、導入される日はそう遠くないかもしれません。
個人のスキルに応用できる面白いAI活用事例5つ
個人のスキルに応用できる面白いAI活用事例を5つ紹介します。
- AI Picasso|AIに指示を出し好みのフリー素材を作成
- Microsoft|スライド ショーを審査してフィードバック
- 南カリフォルニア大学|音楽を読み込ませるとダンスを自動生成
- Duolingo|オンラインで多言語学習
- Mantra|マンガ専用の多言語翻訳システム
個人で利用できるため、業務遂行能力の向上やスキルアップに応用できます。それぞれ確認していきましょう。
1. AI Picasso|AIに指示を出し好みのフリー素材を作成
AI Picasso社が提供する「AIいらすとや」は、プロンプトから希望の画像を生成するAIサービスです。
プロンプトの工夫次第で多様な表現が可能なため、使い方次第でさまざまなオリジナル画像を生成できるでしょう。プロンプトがわからない場合はカテゴリから画像を絞れるため、AIの扱いに慣れてないユーザーにも使い勝手が考慮されています。
2. Microsoft|スライドショーを審査してフィードバック
Microsoft社のPowerPointに搭載された「Speaker Coach」機能は、AIがプレゼンテーションにフィードバックをしてくれます。ユーザーがPowerPointでリハーサルを行うとAIがスピーチを分析し、話すペースや不適切な表現の使用など改善点を提示してくれます。
そのため、PowerPointを使用するビジネスパーソンや学生など、幅広いユーザーにとって有用なツールとなるでしょう。自分では気づきにくいプレゼンテーション中の癖や改善点をAIが客観的に指摘してくれるため、スピーチスキル向上に役立てられます。
3. 南カリフォルニア大学|音楽を読み込ませるとダンスを自動生成
南カリフォルニア大学とGoogle Research、カリフォルニア大学バークレー校の研究チームでは、AIが音楽からダンスを生成する「AI Choreographer」を開発しました。
「AI Choreographer」はプロのダンサーの動きを学習しており、入力された音楽に合わせて3Dキャラクターによる滑らかなダンスアニメーションを作成してくれます。
ダンサーやクリエイターにとって、新しい振付のアイデアを得るツールとして役立つでしょう。他にも、ゲーム開発やバーチャルパフォーマンスの制作など、エンターテインメント業界での応用も期待されています。
4. Duolingo|オンラインで多言語学習
Duolingo社は、個人に最適化された語学学習体験を得られるオンライン多言語学習アプリを提供しています。学習者の進捗や弱点をAIが分析し、効果的な学習コンテンツをおすすめしてくれます。
家庭教師のようにわかりやすい解説やロールプレイ機能を備えているのも、大きな特徴です。2023年3月にはChatGPTを搭載した「Duolingo Max」を発表し、より自然な会話練習が可能になりました。
また、ロールプレイを通じて、正解できなかった理由や問題点をAIキャラクターが詳しく解説してくれます。このように、個々の学習者にAIが効率的かつ楽しい語学学習をサポートする事例と言えるでしょう。
5. Mantra|マンガ専用の多言語翻訳システム
Mantra社が開発した「MANTRA ENGINE」は、日本語で描かれたマンガをAIが自動的に多言語に翻訳するシステムです。
「MANTRA ENGINE」は画像認識と自然言語処理を組み合わせ、マンガの文脈や表現を適切に理解したうえで翻訳を行います。13言語に対応しており、今まで時間と労力がかかっていた翻訳作業の大幅な効率化が可能です。
これにより、クリエイターは自身の作品を迅速に世界中の読者に届けられるようになります。また、翻訳時間が従来よりも大幅に短縮されたことで、海賊版が生まれる前に市場へ流通させられるというメリットもあります。
今後もAIの面白い活用事例は拡大
AIがすでに私たちのビジネスや日常生活、個人の能力開発に深く浸透していることがわかるのではないでしょうか。AIは単なる効率化のツールではなく、新たな可能性を切り開く創造的なパートナーとなりつつあります。
今後も技術の進化とともに、さらに革新的で面白いAI活用が増えていくでしょう。このような環境では、積極的にAIを活用する実践的なスキルを身につけることが重要です。
当社AGIサロンでは、日本がAGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)と共にに日本経済の再興を目指すため、AIやAGIについての世界中の最新動向を毎日発信しています。これからAIとの共存が必須となる世の中において必要な知見を身につけ、時代の変化に取り残されないよう、AGIと共に、一歩先へ進みましょう!
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