「AIが人間を超える日は本当に来るの?」
「人工知能が人間の能力を上回るってどういうこと?」
AIの急速な進化により、こうした疑問を抱く人は多いのではないでしょうか。実際にAIが人間の知能を超える「シンギュラリティ」の到来が現実味を帯びてきていおり、一説では、2045年ごろに訪れるとも言われています。
本記事では、AIが人間を超えるのか、そしてAIが人間を超えることで与える影響について詳しく解説します。AIと人間の関係性や未来の社会について考えたい人は、ぜひご一読ください。
AIが人間を超えるシンギュラリティとは?
シンギュラリティとは、人工知能(AI)が人間の知能を超える転換点のことです。AIの能力が指数関数的に向上し、人間の予測を超えた進化を遂げる時点がシンギュラリティだと考えられています。
レイ・カーツワイル氏をはじめとする研究者の多くは、2045年ごろにシンギュラリティが到来すると予測しており「2045年問題」とも呼ばれています。シンギュラリティ以降、AIは自ら学習・進化を繰り返し、便利になる反面、人間の手に負えない存在になるのではないかと懸念されているのです。
AIが人間を超えた事例3選
2024年時点で、AIが人間を超えた事例はすでにいくつかあります。ここでは、AIが人間を超えた事例を3つ紹介します。
- 人間のクイズ王に勝利
- 囲碁のプロ棋士に勝利
- 創造性テストで人間の平均を上回った
詳しく見ていきましょう。
人間のクイズ王に勝利
IBMが開発したAI「ワトソン」は2011年に、アメリカの人気クイズ番組「ジョパディ!」で人間のクイズ王に勝利しました。ワトソンは自然言語処理や機械学習の技術を駆使し、膨大な知識を瞬時に検索・分析することで、人間を上回る回答速度と正確性を実現したのです。
AIが人間の知識量や情報処理能力を超える可能性を示唆する出来事として、大きな注目を集めました。実際に2024年現在ではChatGPTやClaude3と言った生成AIが、大学院レベルの専門的な推論問題でも高得点を挙げており、人間の知識量や情報処理能力に近づきつつあります。
囲碁のプロ棋士に勝利
2016年には、GoogleのAI「アルファ碁」が、世界トップレベルの囲碁棋士、李世乭(イ・セドル)九段に勝利したことも、有名な事例です。囲碁は将棋やチェスと比べて盤面のパターンが極めて多く、AIにとって最も難しいゲームのひとつとされていました。
しかし、アルファ碁は深層学習によって自ら対局を重ね、人間の直感を超える新しい戦略を編み出し勝利を果たします。アルファ碁の勝利は、AIが人間の創造性や戦略性を凌駕しつつあることを示す出来事となりました。
創造性テストで人間の平均を上回った
2022年、人間の創造性を測定するテスト「トーランス創造性検査(TTCT)」において、OpenAIのAI「DALL-E2」が人間の平均点を上回りました。DALL-E2はテキストから画像を生成するAIで、抽象的な概念を的確に視覚化する能力が評価されました。
創造性はこれまで人間ならではの能力と考えられてきましたが、AIがその領域にも踏み込みつつあることが明らかになっています。テストの結果は、AIが芸術やデザインの分野でも人間に取って代わる可能性を示唆しています。
AIが人間を超えるシンギュラリティに対する論調
AIが人間を超える「シンギュラリティ」に対する論調については、有識者の間でも意見が真っ二つに分かれています。ここからは、来るという意見と来ないという意見の両方を紹介します。
「シンギュラリティは来る」という意見
シンギュラリティ肯定派は、技術の加速度的な進歩を根拠に、2045年ごろのシンギュラリティ到来を予測しています。
AIの専門家として有名なレイ・カーツワイル氏は、2045年のシンギュラリティ以降、人間とAIが融合した「ポストヒューマン」が誕生すると述べています。
2045年には1,000ドルのコンピューターの計算能力が人間の脳の100億倍になるといった予想もしており、多くの社会問題が解決されるとレイ・カーツワイル氏は考えています。
今後、2045年のシンギュラリティによって、仕事とのかかわり方や社会情勢などが大きく変わることが予想されます。時代に取り残されないように、今のうちから人工知能の使い方、ニュースなどを追いかけておくことが非常に大切です。
「シンギュラリティは来ない」という意見
一方のシンギュラリティ懐疑派は「シンギュラリティがすぐに来ることはない」と主張しています。人間の思考や意識といったレベルの高い知性は、単なる計算とは異なる複雑なプロセスであり、AIが完全に再現するのは困難だと考えているためです。
スタンフォード大学教授のジェリー・カプラン氏は「シンギュラリティはすぐに起こるわけではない。多くの著名人による仮説は誇張されている」と指摘しています。シンギュラリティの到来よりも、AIの利活用とより良い世界の実現について考えるべきだと述べています。
AIが人間を超えることで社会に与える3つの影響
AIが人間を超えることで社会に与える影響として、以下の3つが考えられます。
- 人間の仕事がAIに奪われて失業率の上昇につながる
- 人間が働かなくてもいい世界が到来する
- 映画やゲームで見たような近未来的な世界になる
どのような影響を与えるのか、詳しく見ていきましょう。
1. 人間の仕事がAIに奪われて失業率の上昇につながる
AIの発展によって、これまで人間が担ってきた多くの仕事がAIに代替されるようになります。とくに、単純作業や定型業務を中心とする職種では、AIに仕事を取られてしまうでしょう。
その結果、大量の失業者が発生し、失業率の上昇につながる可能性があります。社会の中で人間の役割が縮小し、AIに依存する流れが強まることで、格差の拡大や社会不安の高まりが懸念されます。
2. 人間が働かなくてもいい世界が到来する
AIの発展は人間を労働から解放し、より豊かな生活を送れる可能性も秘めています。AIが多くの仕事を代替することで、人間が働かなくても生活できる世界が実現するかもしれません。
働かなくてもいい世界が実現すると、人々は趣味や家族との生活などに時間を充てられるようになります。AIがもたらす恩恵を活かし、人間らしい営みに集中できる社会の到来が期待できるでしょう。
3. 映画やゲームで見たような近未来的な世界になる
AIの発展は、私たちの生活を一変させる可能性を秘めています。自動運転車の普及やAIアシスタントとの対話など、これまで映画やゲームの中だけで見られた光景が現実のものとなるかもしれません。
また、医療や教育の分野でもAIの活用が進み、より高度で個人に最適化されたサービスが提供されるようになります。
AIがあらゆる場面で人間の役割をカバーすることで、私たちの生活は大きく変化していくと予想されるでしょう。
AIが人間を超える2045年問題への対応策3選
AIが人間を超えるシンギュラリティが到来すると、適応できずに生きていくのが困難な事態になる場合も考えられます。来たるシンギュラリティに対応するために、以下の準備を進めておくとよいでしょう。
- 今のうちにAI・AGIについて学んでおく
- 最新のAI情報をキャッチアップする癖を付ける
- AIを日ごろから触るように習慣づける
今のうちから準備しておけば、シンギュラリティが到来したとしても適応できるようになります。ひとつずつ確認していきましょう。
1. 今のうちにAI・AGIについて学んでおく
AIが社会に与える影響を理解するには、AIやAGIに関する基礎知識を身につけることが必須です。AIはもちろん、そこから発展したAGIについても学んでおくと知識の幅が広がります。
AGIとは「汎用人工知能」とも呼ばれ、さまざまな分野の専門知識を持って人間が実現可能なあらゆる知的作業を実行できる人工知能のことです。人間と同じように物事を理解および処理する能力があるため、実現することで私たちの社会が大きく変化することが予想されます。
当社のサービスである、AGIサロンではAIだけではなくAGIに関する情報も発信しています。日本のサイトでは情報のリソースが少ないですが、AGIサロンでは海外の論文やニュースについても発信しているのが特長です。
他の誰よりも早くAIやAGIに関する最新ノウハウを知っておきたいと考えているのであれば、以下のリンクから詳細をご確認ください。
2. 最新のAI情報をキャッチアップする癖を付ける
AIの技術は日進月歩で進化しており、最新のAI情報を常にキャッチアップする習慣を身につけることが、時代の変化に対応するために欠かせません。実際にここ1~2年で多くのAIツールが登場し、環境が目まぐるしく変化しているため、常にアンテナを張っておいて損はないと言えます。
AI関連のニュースやブログをチェックして、最新情報を常に把握しておきましょう。専門家やプロの発信をチェックすることで、正しい情報を得られます。
3. AIを日ごろから触るように習慣づける
AIを身近に感じるには、日常的にAIを活用する習慣を身につけることが大切です。無料版でもいいので、ChatGPTやClaude3など、身近なAIツールを積極的に利用してみましょう。AIとのコミュニケーションを通じて、AIの特性や限界を体感的に理解できます。
また、AIを活用した新しいサービスやアプリケーションがリリースされるたびに、試してみるのもよいでしょう。AIに触れる機会を増やすことで、シンギュラリティ時代を見据えたスキルが身についていくはずです。
AIは人間を超えるのかという問題に対するFAQ3選
「AIは人間を超えるのか?」と気になっている人のよくある質問をピックアップしてみました。
- 人間がAIに勝てるものって何?
- AIが人間を滅ぼすことってあるの?
- AIが人間を超えない可能性もあるの?
多くの人が悩みやすいポイントなので、今のうちに理解しておきましょう。
1. 人間がAIに勝てるものって何?
多くの専門家が指摘しているのは、創造性や感情理解、コミュニケーション力などはAIに取って代わられないというものです。何か斬新なアイデアを思いつくことや、人とのコミュニケーションを細かく取れる部分は人間ならではの強みです。
AIやAGIの発達に対して過度におびえるのではなく、常日頃からアイデアを考え、人と深く接することを意識していれば自ずと時代に適応できるようになるでしょう。
2. AIが人間を滅ぼすことってあるの?
ワシントン大学のコンピュータサイエンス学部の教授であるオーレン・エツィオーニ氏は「超知性的AIが人類に対する脅威であるとは考えていない」と述べています。たしかに、SF映画などでAIが人間を脅かす存在として描かれることはよくあります。
AIは人間が設計し、設計者の目的に沿って動作するものであるため、独自の意思を持つ存在ではありません。人間がAIをコントロールし、適切に活用していくことで、AIが人間を滅ぼすという最悪のシナリオは回避できるでしょう。
3. AIが人間を超えない可能性もあるの?
前提として、AIが人間の知性を超えるためには人間の脳の仕組みを完全に解明し、再現する必要があります。しかし、人間の知性を超えることは容易ではないと、多くの専門家が指摘しています。
また、人間の知性には自意識や感情、創造性など、単なる計算では説明できない部分があるのも事実です。
AIの発展には限界があり、人間を超えることはないという見方も根強く存在しています。今後の人工知能の発展レベルにもよりますが、シンギュラリティの実現可能性については今後も議論が続くことでしょう。
まとめ:AIは人間を超えるのかと悩むだけではなくしっかりと学びましょう!
AIが人間を超える時代、いわゆるシンギュラリティの到来が現実味を帯びてきています。多くの分野でAIの能力が人間を超え、社会構造や経済システム、さらには私たちの日常生活までもが大きく変わる可能性があります。
AIが人間を超える未来に向けて、今から知識やスキルを身につけて、適応力を養うことが重要です。変化を恐れるのではなく、新たな可能性として捉えて準備を進めていきましょう。
当社AGIサロンでは、日本がAGIと共に日本経済の再興を目指すため、AIやAGIについての世界中の最新動向を毎日発信しています。これからAIとの共存が必須となる世の中において必要な知見を身につけ、時代の変化に取り残されないよう、AGIと共に一歩先へ進みましょう!
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